はじめに
前回の記事では、BricsCADの体験版をダウンロードして起動するまでの手順を解説しました。
実際にBricsCADを起動してみると、たくさんのメニューやボタンが並んでいて「どこを見ればいいの?」と迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、BricsCADの画面各部の名称と役割を整理してお伝えします。最初の画面で迷わないようになることをゴールに、丁寧に解説していきます。
BricsCAD画面の全体構成
BricsCADの画面は、大きく分けて以下の8つのエリアで構成されています。
| エリア | 位置 | 主な役割 |
|---|---|---|
| ① タイトルバー | 最上部 | ファイル名・アプリ名の表示 |
| ② リボン(メニュー) | 上部 | コマンドのアイコン化・カテゴリ別配置 |
| ③ クイックアクセスツールバー | 左上 | よく使う操作(保存・元に戻す等) |
| ④ 作図エリア | 中央 | 図面を描くメインの領域 |
| ⑤ コマンドライン | 下部 | コマンド入力・履歴表示 |
| ⑥ ステータスバー | 最下部 | グリッド・スナップ等の切替 |
| ⑦ プロパティパネル | 右側 | 選択オブジェクトの情報表示・編集 |
| ⑧ レイアウトタブ | 作図エリア下 | モデル空間とレイアウト空間の切替 |
それぞれを順番に見ていきましょう。
① タイトルバー
ウィンドウの一番上にあるバーです。現在開いている図面ファイル名と、BricsCADのバージョンが表示されます。
複数の図面を同時に開いている場合は、Ctrl + Tabでファイル間を切り替えられます。
② リボン(メニュー)
画面上部に配置された、アイコン形式のメニューです。
主なタブ
| タブ名 | 主な機能 |
|---|---|
| ホーム | 線・円・トリム等の基本作図コマンド |
| 挿入 | ブロック挿入・外部参照 |
| 注釈 | 寸法・テキスト・引出線 |
| 修正 | 移動・コピー・回転等の編集 |
| 表示 | ビュー切替・ズーム |
| 管理 | カスタマイズ・LISP実行 |
| 出力 | 印刷・パブリッシュ |
最初は「ホーム」タブだけ覚えておけば、基本的な作図はできます。
リボンが邪魔な場合
リボンを最小化したい場合は、Ctrl + 0で表示・非表示を切り替えられます。
③ クイックアクセスツールバー
画面左上、リボンの上にある小さなアイコン群です。
| アイコン | 機能 |
|---|---|
| 📄 | 新規作成 |
| 📂 | ファイルを開く |
| 💾 | 保存 |
| ↩️ | 元に戻す |
| ↪️ | やり直し |
| 🖨️ | 印刷 |
「保存」「元に戻す」は使用頻度が高いので、場所を覚えておきましょう。
ショートカットでは:
- Ctrl + S:保存
- Ctrl + Z:元に戻す
- Ctrl + Y:やり直し
④ 作図エリア
画面中央の広い黒い領域が、実際に図面を描く作図エリアです。
作図エリアの主な要素
- 十字カーソル:マウスポインタ。現在の位置を示す
- UCSアイコン:左下に表示。座標系の方向を示す
- 背景色:デフォルトは黒(変更可能)
背景色を白にしたい場合
「ツール → オプション → 表示 → 背景色」から変更できます。印刷物に近い見た目で作業したい方は、白背景もおすすめです。
⑤ コマンドライン
作図エリアの下にある、文字入力欄がコマンドラインです。
BricsCADでは、多くの操作をコマンド入力で実行できます。
使用例
| 入力 | 動作 |
|---|---|
LINE または L |
線を描く |
CIRCLE または C |
円を描く |
TRIM または TR |
図形のトリム |
OFFSET または O |
オフセット(並行コピー) |
慣れてくると、リボンのアイコンを探すよりもコマンド入力の方が速くなります。マウスとキーボードの両方を活用するのがCAD作業の効率を上げるコツです。
コマンド履歴の確認
過去に入力したコマンドは、F2キーで別ウィンドウに表示できます。
⑥ ステータスバー
画面最下部にある横長のバーです。各種設定のON/OFFをワンクリックで切り替えられます。
重要な切替項目
| 表示 | 機能 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| GRID | グリッド表示 | お好みで |
| SNAP | スナップ機能 | OFF |
| ORTHO | 直交モード | 必要時にON |
| POLAR | 極座標トラッキング | ON |
| OSNAP | オブジェクトスナップ | 常にON |
| OTRACK | オブジェクトトラッキング | ON |
| LWT | 線の太さ表示 | お好みで |
特に OSNAP は実務では必須で、図形の端点・中点・交点などに正確にスナップできる機能です。これがOFFだと作図精度が大きく落ちるので注意しましょう。
⑦ プロパティパネル
画面右側に表示される、選択中のオブジェクトの情報を表示・編集するパネルです。
表示される情報の例
線を選択すると以下が表示されます:
- 色:レイヤーに従う/個別指定
- 画層(レイヤー):オブジェクトが属するレイヤー
- 線種:実線、破線等
- 線の太さ:mm単位で指定
- 始点・終点座標:X, Y, Z
- 長さ・角度
数値を直接書き換えれば、選択した図形の属性をその場で変更できます。
プロパティパネルの表示・非表示
- Ctrl + 1 で表示・非表示を切替
- 邪魔な時は閉じても、必要な時に呼び出せます
⑧ レイアウトタブ
作図エリアの左下にある「モデル」「レイアウト1」などのタブです。
| タブ | 用途 |
|---|---|
| モデル | 実寸で図面を描く空間(実際の作図) |
| レイアウト1, 2... | 印刷用の用紙レイアウト |
最初は モデル空間で作図 → レイアウト空間で印刷設定 という流れを覚えておけば十分です。
レイアウト空間の使い方は、また別の記事で詳しく解説します。
最初に覚えておきたい3つのポイント
画面の見方をひと通り解説しましたが、最初は以下の3つだけ意識しておけば十分です。
1. OSNAPは常にON
正確な作図のために、オブジェクトスナップは常に有効にしておきましょう。
2. コマンドラインを見る癖をつける
BricsCADは「今、何の入力を待っているか」をコマンドラインに表示します。迷ったらコマンドラインを見るのが鉄則です。
3. 困ったらEscキー
操作の途中で迷ったら、Escキーを押せば現在のコマンドをキャンセルできます。安心してください。
まとめ
BricsCADの画面構成は、AutoCADとほぼ同じレイアウトになっています。
最初は情報量が多くて戸惑うかもしれませんが、実際に使うのは:
- リボン(コマンドのアイコン)
- 作図エリア(図面を描く場所)
- コマンドライン(コマンド入力)
- ステータスバー(OSNAP等の切替)
この4つがほとんどです。残りの機能は、必要になったときに覚えていけば十分です。
次回の記事では、いよいよBricsCADで実際に線・円・ポリラインを描く方法を、初心者の方にもわかるように解説します。
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