はじめに
前回の書籍紹介記事では、公式テキストでは難しいと感じる方に向けた「やさしい入門書」をご紹介しました。
これまでの2冊(公式テキスト・やさしい入門書)でBricsCADの基礎はカバーできます。
今回は、その次の段階として、より深く・体系的に学びたい中級者の方に向けた1冊をご紹介します。
中級者がぶつかる壁
BricsCADの基本操作を覚えたあと、次のような壁にぶつかる方が多くいます。
「基本コマンドは使えるけど、もっと効率的な方法があるはず」
「ダイナミックブロックや異尺度対応など、応用機能がよくわからない」
「印刷スタイルの設定が思うようにいかない」
「実務的な図面作成のコツを学びたい」
このような中級レベルの壁を越えるのに最適な書籍をご紹介します。
ご紹介する書籍
AutoCAD LT 標準教科書
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | AutoCAD LT 標準教科書 |
| 著者 | 中森 隆道 |
| 出版社 | 鳥影社 |
| ページ数 | 524ページ(オールカラー) |
| 対応バージョン | AutoCAD LT 2022/2021/2020/2019/2018 ※2015以降対応 |
「AutoCADの本」がBricsCADに役立つ理由
「タイトルにAutoCADと書いてあるけど、BricsCAD学習に使えるの?」と思う方もいるかもしれません。
結論:高い互換性のため、ほぼそのまま使えます
BricsCADとは?AutoCADとの違いでも触れたように、BricsCADは AutoCAD と高い互換性 を持っています。
| 互換要素 | 状況 |
|---|---|
| コマンド体系 | ほぼ同じ |
| ファイル形式(DWG) | ネイティブ対応 |
| インターフェース | 類似 |
| ショートカット | 互換 |
| 操作の流れ | ほぼ同じ |
そのため、AutoCAD用に書かれた書籍の知識は、BricsCADでもほとんどそのまま活かせます。
「AutoCAD互換」の強みを活かす
実は、これがBricsCADを選ぶ大きなメリットの1つです。
- AutoCAD用の教材が豊富にある
- AutoCAD経験者が移行しやすい
- AutoCAD互換のスキルとして転職市場でも評価される
書籍選びの選択肢が広がるのは、学習者にとって大きな利点です。
この本の特徴
1. 524ページのボリューム
BricsCAD/AutoCAD系の書籍としては圧倒的なボリュームを誇ります。
これだけのページ数があると、応用機能まで深く解説されており、辞書的に活用できます。
2. オールカラー
技術書としては珍しく、全ページオールカラーです。
CAD操作の画面解説では、色での区別が理解の助けになるため、オールカラーは大きな価値があります。
3. 2部構成
第1部:機能編(リファレンス)
- 基本機能の体系的な解説
- ダイナミックブロック・異尺度対応・印刷スタイルなど、他書では触れられない応用機能を詳説
第2部:製図編(チュートリアル)
- 建築図面の製図方法
- 機械図面の製図方法
- 白紙から完成図まで、実際の作図手順を学べる
4. 著者の実績
著者の中森隆道氏は、職業訓練校の運営や社会人向けスクールでの教育実績25年以上を持つAutoCAD LTのエキスパートです。
実務に直結する内容で、理論より実践を重視した解説が特徴です。
5. 豊富な無料リソース
書籍購入者には、以下が無料で提供されます:
- スマホ対応の音声付き動画 400本以上
- クラウド教科書(書籍内容をWeb上で確認)
- 88ファイルのCADデータ(実習用)
- 1003ファイルのCAD部品(電気・空調・土木・地図記号)
- ハッチングパターン
- 特殊線種
書籍代金以上の価値がある学習リソースが揃っています。
どんな方におすすめか
こんな方に最適
✅ 公式テキスト・やさしい入門書で基礎を固めた方
- 次のステップとして応用機能を学びたい
✅ AutoCAD経験者でBricsCADに乗り換えた方
- AutoCAD用の解説書がそのまま活用できる
✅ ダイナミックブロック・異尺度対応を深く学びたい方
- 他書では触れられない応用機能を詳説
✅ 建築図面・機械図面の実務スキルを身につけたい方
- チュートリアル形式で実践的に学べる
✅ 会社の教材として使いたい方
- 教育実績豊富な著者による教科書として最適
公式テキスト・やさしい入門書との比較
これまでに紹介した3冊を比較します。
| 書籍 | ターゲット | 内容の深さ | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| BricsCAD公式テキスト | 初心者〜中級 | 2D・3D・BIM網羅 | 中 |
| やさしい入門書 | 超初心者 | 2D中心・やさしい | 中 |
| AutoCAD LT 標準教科書 | 中級〜実務者 | 応用機能を詳説 | 中〜高 |
学習ロードマップ
Phase 1:BricsCAD公式テキスト or やさしい入門書
↓ 基礎を固める
Phase 2:AutoCAD LT 標準教科書(今回紹介)
↓ 応用機能・実務スキルを習得
Phase 3:AutoLISP関連書籍(次回以降紹介予定)
↓ 業務自動化
Phase 4:3D・BIM専門書(次回以降紹介予定)
このように段階的にレベルアップすれば、独学でも本格的なCAD実務者として成長できます。
効果的な使い方
1. 辞書として活用する
524ページのボリュームは、通読より辞書的に使うのがおすすめです。
「ダイナミックブロックって何だっけ?」「異尺度対応の設定は?」と思った時に、該当箇所を読む使い方が効率的です。
2. チュートリアル部分を実際に作図する
第2部のチュートリアル(建築図面・機械図面の製図)は、実際に手を動かして作図することで、応用力が身につきます。
書籍と同じ手順で作図を再現できれば、実務レベルのスキルを体得できます。
3. 動画と併用する
無料の音声付き動画 400本以上は、書籍と併用することで理解が深まります。
特に、文章だけではわかりにくい操作は、動画で確認することで理解が早まります。
4. CAD部品をブロックライブラリに活用
無料提供の1003ファイルのCAD部品は、実務でそのまま活用できます。
BricsCADで使えるブロック機能で解説したように、これらをブロックライブラリとして整理すれば、図面作成の効率が大幅に上がります。
BricsCAD特有の注意点
AutoCAD用の書籍ですので、一部のAutoCAD独自機能はBricsCADで使えない、または挙動が異なる場合があります。
注意が必要な機能
| 機能 | BricsCAD での対応 |
|---|---|
| ダイナミックブロック | 表示OK・新規作成は別形式 |
| 異尺度対応 | ほぼ互換 |
| 印刷スタイル | ほぼ互換 |
| AutoCAD独自プラグイン | 非対応 |
⚠️ ダイナミックブロックについては、BricsCADではパラメトリックブロックという独自機能を使うのが一般的です。書籍の該当部分は「考え方を学ぶ」程度に留めて、実際の作成は別途BricsCADのマニュアルを参照することをおすすめします。
まとめ
中級レベルへの壁を越えたい方には、**『AutoCAD LT 標準教科書』**が最適な1冊です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ボリューム | 524ページ・オールカラー |
| 構成 | 機能編+製図編の2部構成 |
| 著者 | 教育実績25年以上のエキスパート |
| 付録 | 動画400本以上・CAD部品1003ファイル |
AutoCAD互換のスキルとして、BricsCADだけでなく業界全体で通用する実力を身につけられます。
これまでに紹介した「公式テキスト」「やさしい入門書」で基礎を固めた方は、次の1冊として本書を手に取ってみてください。
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入門編
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